大阪近郊区間には、JR神戸・京都・琵琶湖線、大阪環状線、JR東西線、大和路線、奈良線、阪和線とその周辺の路線がこれに含まれます。大阪近郊区間の路線は下の画像の太線(色は問わず)の部分ですが、同様の制度が福岡、東京、新潟、仙台にもあります。(※)
※ 初乗り運賃は地域によって異なります。(130〜170円)
近郊区間内発着の乗車券(例えば大阪〜京都間の乗車券)は次のようなルールがあります。
- 運賃は発駅、着駅間の最短距離で計算します。
- 有効期限は1日(当日限り)。
- 途中下車できない。
- 乗車経路が自由に選べる。(同じ駅を2度通ったらダメ)… これがミソなんです。
ご注意:新大阪〜西明石間を新幹線を利用する場合には、この制度は適用されません。また、定期券や回数券は経路が特定された状態で発券されますので、この制度は適用されません。
私が小さかった頃、祖母(すでに死去)がこんな話をしていました。
岸辺駅から吹田駅までの乗車券を買い、まず京都へ行って、奈良線で奈良へ行き、さらに天王寺へ行って、環状線で大阪に出て吹田へ行った。 |
岸辺駅と吹田駅は共に大阪〜京都間にあり、隣接しています。(2.4キロで現在の運賃は130円)岸辺から吹田へは、一駅で行っても、上のような極端な大回りで行っても、乗車経路を自由に選べるから、これは不正乗車にはなりません。もし、乗車中に検札が来た場合は、このような経路で旅してることを告げれば問題ないでしょう。ただ、欠点は途中下車できない、つまり、改札外に出られないことです。途中下車する場合は、発駅(この場合は岸辺)からの運賃と持っている乗車券の差額を払う必要があります。
しかしながら、暇を持て余している人や、ちょっと旅をしたい人には安くて楽しめるのではないでしょうか?
ということで、ここでは大阪近郊区間のモデルプランとして、大阪から天満(大阪環状線)まで130円のきっぷで琵琶湖や奈良付近を廻る旅を紹介します。
- 大阪 10:15 → 近江塩津 12:01 (JR京都線・湖西線新快速)
- 近江塩津 12:07 → 草津 13:22 (北陸本線・琵琶湖線新快速)
- 草津 13:57 → 柘植 14:40 (草津線)
- 柘植 14:42 → 加茂 15:35 (関西本線)
- 加茂 15:39 → 天王寺 16:33 (大和路線・大和路快速)
- 天王寺 16:39 → 天満 16:58 (環状線内回り)
途中下車はできません(途中駅で改札口を出られない)が、琵琶湖や伊吹山、木津川の流れ、奈良の町並みなど車窓は楽しめると思います。また車両も130km/h運転の新快速をはじめとする最新車両など、バラエティーに富んでいます。電車賃は240円(120円×2)。あなたも最寄駅から経路を考えて乗ってみてはどうでしょう?
大阪近郊区間内の路線紹介(車両画像も含む)は、各エリアの路線紹介ページをご覧ください。
大阪から姫路方面 大阪から京都・米原方面 福知山線方面 奈良・和歌山方面 湖西線・北陸本線方面
ICOCAで「近郊区間大回り」をする場合のご注意
入場した時間から5時間たつと「有効時間超過」でエラーとなり、自動改札機を通れなくなります。この場合は、改札口の係員に乗車経路を説明しなければならなくなります。(「近郊区間大回りで来た」と言えば大丈夫です。)