青春18きっぷで北海道(札幌)へ
青函トンネルを通る旅客列車は新幹線となりました。特例で新幹線にも乗れる「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」が発売されるようですが、函館以北の普通列車減便もあわせて今では普通列車を乗り継いで北海道各地へアクセスすることは今まで以上に非常に困難になっています。
「そこまでしてまで青春18きっぷで北海道に行く価値があるのか」という感じですが、「全国への普通列車乗り継ぎ」を紹介するのも当サイトのテーマですので、ここでは青函トンネル利用の他、青森〜函館フェリーを利用して北海道へアクセスする方法をご紹介します。
北海道へのアクセスについて
青函トンネル部分は北海道新幹線の一部となり、在来線部分の木古内〜五稜郭間は「道南いさりび鉄道」(3セク)へ移管されました。簡単に路線図にすると以下のような感じになります。
これらの区間は「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」(2490円)を購入することで一応利用できます。具体的には、奥津軽いまべつ(津軽二股駅と同一地点)〜木古内間の新幹線の普通車の空いた座席(帰省ラッシュでもない限り座れないことはないと思います。)を利用し、木古内〜五稜郭間の普通列車(木古内・五稜郭以外の途中駅での下車不可)に乗車可能です。この「オプション券」の発売期間は18きっぷ本体の発売期間と利用期間と同じです。(みどりの券売機などで買うことができます。)
新たに津軽二股駅(奥津軽いまべつ駅と近接。徒歩5分くらい)での乗り継ぎが発生しますが、奥津軽いまべつ駅を通過する列車も多いことから、乗り継ぎは非常に困難になっています。木古内駅も同様です。最大で3時間程度の待ち時間が発生し、青森〜函館間の所要時間は6〜7時間かかります。接続パターンも減っています。
そのため、後述のフェリー利用も検討ください。(特に北海道から本州への移動)駅から港までのアクセスが不便ですが、夜明かしにも使えます。
青春18切符使用者向け 青森〜函館間の乗り継ぎ表
あまりにも接続が悪いので、青森発6:15、函館発13:29発の乗り継ぎパターン以外は、津軽線三厩駅まで往復しても表の通り乗り継げます。が、三厩駅から先(竜飛岬など)へは行けません。
※ 列車名の「ぶさ」…「はやぶさ」、「て」…「はやて」
青森から函館へ
列車番号 | 327M | 333M | 337D | 339M |
青森 発 蟹田 着 |
615 658 |
1101 1138 |
1319 1410 |
1531 1608 |
列車番号 | 329D | 335D | ↓ | 341D |
蟹田 発 津軽二股 着 |
707 731 |
1144 1209 |
1411 1436 |
1642 1709 |
列車名 | て93 | ぶさ19 | ぶさ25 | ぶさ33 |
奥津軽いまべつ発 木古内 着 |
812 846 |
1415 1449 |
1701 1735 |
1901 1935 |
列車番号 | 127D | 131D | 135D | 137D |
木古内 発 函館 着 |
1116 1216 |
1519 1622 |
1900 2000 |
2043 2146 |
函館から青森へ
列車番号 | 120D | 124D | ||
函館 発 木古内 着 |
707 807 |
1329 1433 |
||
列車名 | ぶさ18 | ぶさ34 | ||
木古内 発 奥津軽いまべつ着 |
948 1022 |
1501 1535 |
||
列車番号 | 336D | 338D | ||
津軽二股 発 蟹田 着 |
1252 1317 |
1551 1617 |
||
列車番号 | ↓ | 340M | ||
蟹田 発 青森 着 |
1318 1401 |
1625 1713 |
北海道(札幌)へのアクセスについて
北海道へ行く前には青森に行かないといけないんですが、青春18のみで利用できる上越ルート・仙台ルート、「北陸おでかけパス」を併用する北陸ルートの乗り継ぎを紹介しています。
※ 他にも長野・飯山ルートが考えられますが、余分に交通費がかかりますので紹介しません。
以下の乗り継ぎの大阪〜熱海間は「東海道線乗り継ぎ」としか書かれていませんが、「東海道本線の旅」(リンクは右)にある「のりつぎ検索」で条件を設定した上で乗り継ぎを表示させることが可能です。
青函トンネルを通って北海道に入ると、札幌へは室蘭本線(東室蘭経由・海線)周り、函館本線(小樽経由・山線)周りがあります。(「青春18きっぷで乗れる路線図」でご覧ください。)ここでは列車の接続が良いかどうかで経由線を選択しています。
なお、札幌からの「帰り」ですが、青函間の接続があまりにも悪いので割愛しています。
上越・新潟ルート
東京まで行って上越線で新潟に向かいます。余裕のない乗り継ぎなので、事故などで数十分程度でも列車が止まると乗り継げない可能性があります。(次項の仙台ルートも同じ)
行き・札幌へ
- 大阪 6:33 → 熱海 14:05 (東海道線を乗り継ぎ)
- 熱海 14:13 → 平塚 14:52 (快速アクティー)
- 平塚 14:54 → 高崎 17:51
- 高崎 18:21 → 水上 19:25
- 水上 20:50 → 長岡 23:05
- 長岡 23:09 → 新潟 0:20
- 新潟 4:56 → 村上 5:52 (快速)
- 村上 6:00 → 酒田 8:15
- 酒田 9:35 → 秋田 11:26
- 秋田 11:39 → 弘前 14:21
- 弘前 15:34 → 青森 16:25
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2018年のダイヤ改正以降、新潟を早朝に出発して北海道に渡ることが不可能になってしまいました。効率よく旅するためには青森〜函館間をフェリーで夜明かしすることが必須になります。
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仙台・奥羽ルート
初日に仙台まで行き、次の日は北上線・奥羽本線周りで青森へ。その次の日に札幌に到達します。「帰り」は割愛です。
行き・札幌へ
- 大阪 6:33 → 熱海 14:05 (東海道線を乗り継ぎ)
- 熱海 14:13 → 小金井 17:19 (快速アクティー)
- 小金井 17:29 → 宇都宮 17:48
- 宇都宮 17:54 → 黒磯 18:46
- 黒磯 19:32 → 新白河 19:56
- 新白河 20:06 → 郡山 20:44
- 郡山 21:00 → 福島 21:46
- 福島 22:01 → 仙台 23:21
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- 仙台 6:44 → 小牛田 7:28
- 小牛田 7:40 → 一ノ関 8:30
- 一ノ関 8:56 → 北上 9:34
- 北上 10:03 → 横手 11:15 (北上線)
- 横手 11:47 → 秋田 13:05
- 秋田 13:31 → 弘前 16:12
- 弘前 16:15 → 青森 17:04
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またはその日のうちに船で函館に渡りそのまま泊まるか、夜行便を使って函館へ移動するなどの方法もあります。
- 青森 6:15 → 蟹田 6:58
- 蟹田 7:07 → 津軽二股 7:31
- 奥津軽いまべつ 8:12 → 木古内 8:46 (「はやて93号」)
- 木古内 11:16 → 函館 12:16
- 函館 14:30 → 長万部 17:52
- 長万部 20:00 → 小樽 22:50
- 小樽 23:10 → 札幌 23:54
北陸ルート
土休日のみ利用可能な「北陸おでかけパス」(金沢〜直江津間の経営分離された※区間も利用可。)が利用当日にみどりの券売機で受け取ることで利用できるようになっているので、金沢経由の北陸ルートも記載しておきます。
「北陸おでかけバス」については「青春18きっぷ以外の普通列車乗り放題切符」をご覧ください。
行き
- 大阪 6:18 → 京都 6:51 (快速)
- 京都 7:00 → 近江今津 8:06
- 近江今津 8:14 → 福井 9:47
- 福井 10:21 → 金沢 11:44
- ※ 金沢 12:06 → 泊 14:02
- ※ 泊 14:56 → 直江津 16:31
- 直江津 17:27 → 長岡 19:03
- 長岡 19:27 → 新潟 20:40
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以下は上越ルートの新潟以北と同じです。
「北陸おでかけパス」の新潟県側の受け取り可能な駅が見当たらない(糸魚川が北限か? 直江津駅では受け取れないので)ので、「帰り」はありません。
青森〜函館間のフェリーを利用する
運航時刻や船内設備など詳しくは青函フェリー公式サイト(外部)をご覧ください。
青森〜函館間の深夜フェリーで夜明かしします。夜明かし可能な便は次の通りです。
- 青森(函館)23:30 → 函館(青森)3:20
- 青森(函館)2:00 → 函館(青森)5:50
宿泊費を浮かすことはできますが、港へのアクセスが大変です。(下記参照) それでも、青函間のJRの接続が悪くなっているので、もっとも賢明な方法かもしれません。
青森発・函館発共に出航時刻と到着時刻が同じです。運賃は2200円(2等)ですが、10月〜翌年5月までは1800円だそうです。詳しくは公式サイトなどでご確認ください。
* 年末年始は休航となる便が多いので、ご利用の際はご確認下さい。2:00に出航する便は「危険物積載車輌指定便」となることがあります。(主に月曜日) そうなった場合は利用できないようですのでご注意を。
「3号はやぶさ」では、他にシャワー室がありました。使用は自由ですが、石鹸などの備え付けはないようです。青函フェリーは、使用船舶により設備が大きく異なります。
当フェリーを利用して函館から札幌へ
青森までは上記参照。
- 青森港 23:30 → 函館港 3:20 (当フェリー)
- 函館 8:18 → 長万部 11:16
- 長万部 13:18 → 倶知安 14:58
- 倶知安 15:18 → 小樽 16:28
- 小樽 16:33 → 札幌 17:05 (快速「エアポート170号」)
当フェリーを利用して札幌から東京へ
- 札幌 13:00 → 南千歳 13:34 (快速「エアポート130号」)
- 南千歳 13:42 → 苫小牧 14:01
- 苫小牧 14:49 → 東室蘭 15:55
- 東室蘭 16:15 → 長万部 17:57
- 長万部 18:15 → 五稜郭 21:15
- 函館港 23:30 → 青森港 3:20 (当フェリー)
- 青森 5:41 → 弘前 6:21
- 弘前 6:25 → 秋田 8:43 (快速)
- 秋田 9:12 → 横手 10:29
- 横手 10:35 → 北上 11:51 (北上線)
- 北上 11:56 → 一ノ関 12:34
- 一ノ関 12:44 → 小牛田 13:31
- 小牛田 13:37 → 仙台 14:23
- 仙台 15:02 → 福島 16:23
- 福島 16:28 → 新白河 18:09
- 新白河 18:14 → 黒磯 18:38
- 黒磯 18:57 → 宇都宮 19:50
- 宇都宮 19:59 → 東京 21:52
この先、大阪方面は翌日移動するか「ムーンライトながら」でどうぞ。
青森港へのアクセス
青森駅の西口の正面の道を道なりに歩きます。やがて住宅が途切れ、右手に「ベイブリッジ」からの広い道が見えてきますので、適当な交差点を右に曲がり、この道に出てください。この道沿いにフェリー乗り場があります。青森駅(西口)から歩いて30〜40分くらいかかります。
詳しくはヤフーの地図でお確かめください。
最寄バス停は新田(青森市交通局)で、青森駅などからアクセスできますが、上記のような深夜・早朝の便には利用できません。
函館港へのアクセス
函館港の最寄り駅は五稜郭駅となり、歩いて30分ということです。詳しくはヤフーの地図でお確かめください。
函館駅からバス便があるようですが、上記のような深夜・早朝の便には利用できません。
その他
フェリーは天候などにより遅れることがよくあり、フェリー後の乗り継ぎがうまくいかないことも考えられます。そのあたりをご承知おきください。また冬季や春季は道路凍結などで歩くのも危険ですのでお勧めしません。
青森港・函館港とも、フェリー乗り場の待合室は終日利用可能のようです。私が利用した日も、長椅子に横になっている人を見かけました。
青函フェリーは、元々トラックの運転手に向けて営業していた事業者で、同程度の距離の航路と比べると設備面(売店がないなど)で見劣りします。
青森〜函館には、他にも「津軽海峡フェリー」が就航しています。こちらは七重浜駅(道南いさりび鉄道)近くのフェリーターミナルから出航します。青函フェリーよりは設備は豪華ですが、運賃は高いし、道南いさりび鉄道の運賃が発生するためおすすめはしません。