三江線の旅
三江線は山陰本線の江津駅と芸備線の三次駅を結ぶ路線ですが、沿線人口が少なく都市間利用も少ないことから、第1級のローカル線として青春18きっぱーに人気があります。現在、日本一利用者が少ない路線になっています。
地元の三江線活性化協議会(現在は解散)が「江の川鉄道」という愛称を付けていて、同会が発行するパンフレットなどに「江の川鉄道」の表記が見られます。当サイトでも、一部で表記しています。
三江線は、2018年3月31日で「卒業」しました。現在は運転されていません。
三江線代替バスについて
沿線の人の流れなどを考慮して、路線は細分されています。既存のバス路線や新たに設定された路線などが入り乱れ、複雑怪奇になっています。主だったところを図示すると下のようになります。(路線名部分をクリックすると、その路線紹介に飛びます。)
乗り継ぎ例:三次〜江津、三次〜宇都井、三次→所木…唐香→三次。
運賃割引など。
主なバス路線
時刻などは三江線沿線の自治体のホームページでご覧ください。最初の1〜2文字は乗り継ぎ例で路線識別のために使用しているものです。
下記以外にも、メインルートから外れた駅・集落へデマンドバスや乗り合いタクシーがあるようですが、地元の人限定だったり予約が必要なものもあるので省略しています。
作 三次中央病院〜※道の駅グリーンロード大和(作木線・備北交通)
※長いので以下では「GR大和」と記します。また、「大和」は「やまと」と読むのか「だいわ」と読むのかいまだに不明。
以前から存在した三次〜伊賀和志・都賀本郷(石見都賀駅近くにあった)間の路線を延長し毎日運転としたものです。三次駅を経由し、尾関山公園付近を通った後は54号線を北上し、布野というところで54号線と分かれ、川の駅常清(港別)で江の川沿いに出て、当バス停で川の駅三次線(次項で)と接続します。さらに口羽の集落を経て伊賀和志、そして都賀に至ります。宇都井は通りません。
田所・川本(GR大和などで接続がない場合。後述。)、宇都井へは「羽須美支所」で乗り換えになります。口羽駅にどうしても行きたい場合は「口羽大橋」で降り、徒歩3分くらいです。
川三 三次駅〜川の駅常清(じょうせい)(川の駅三次線・君田交通)
三次駅から国道375号線を通って川の駅常清に至り、当バス停で作木線と接続します。江の川の北側を走り、三江線の香淀駅あたりをフォローするための路線です。途中の唐香(とうか?)というバス停の前にある唐香橋を渡ると所木駅を経て式敷三次線(次項)の所木バス停に出ます。
式三 三次駅〜式敷駅(式敷三次線・地元のタクシー会社が運行)
三江線に沿って三次から式敷まで走ります。並行する県道112号の道幅が狭いのでジャンボタクシーでの運転です。上述の通り「所木」からは対岸の「唐香」を走る川の駅三次線に乗り換え可能です。終点の式敷からは、他の三江線代替バス路線に乗り継ぐことは困難です。
宇口 羽須美支所・羽須美中学校〜宇都井駅・(宇都井口羽線/宇都井線・おおなんバス)
作木線から羽須美支所で接続するのが宇都井口羽線、羽須美田所線(後述)から羽須美中学校で接続するのが宇都井線です。ともに宇都井駅を越えて「後山口」まで運転しますが、その先、都賀への乗り継ぎはありません。(都賀へは徒歩6キロくらい)
川美 上野〜浜原駅〜*ゴールデンユートピアおおち〜石見川本(川本美郷線・大和交通)
*長いので以下では「GUおおち」と記します。女性向けの服を売っている店に「GU」というのがありますが、これとは無関係です。
平日は上野(一部大和小学校)〜GUおおち(「川本美郷線A」と記述)と浜原駅〜石見川本(「川本美郷線B」と記述)に分割され、浜原駅〜GUおおち間はABとも利用可能です。土休日は上野〜石見川本間の運転です。(「川本美郷線C」と記述)
粕 大田バスセンター(大田市駅)〜粕淵駅〜九日市〜酒谷(石見交通粕淵線)
従来から存在する路線です。江の川から離れた沢谷駅をフォローするために、従来は大田〜粕淵間の運転だった便を九日市まで延長しました。沢谷駅には7往復(土休日は5往復)が停車します。
江川 石見川本〜江津駅〜済生会病院(江津川本線・石見交通)
その名の通り川本と江津を結びます。江津側の起点は済生会病院となっていて江津駅が起点ではありません。
羽田 口羽(羽須美支所)〜羽須美中学校〜田所道の駅(羽須美田所線・おおなんバス)
従来から存在し、宇都井駅へ行くのに何度か利用させていただきました。また次項の邑南川本線と併せて口羽と川本を移動する際にも使えます。
現在は口羽駅には寄らなくなっています。(最寄バス停は「リゾートセンター」らしいです。) 作木線からの乗り継ぎは「羽須美支所」になります。
邑川 石見川本〜矢上駅〜田所道の駅(邑南川本線・おおなんバス)
従来から存在します。田所道の駅からは口羽へ乗り継げる他、広島県の大朝へ至る便にも乗り継げ、さらにその先可部駅へ乗り継ぐことも可能です。
各乗り継ぎ例
可能な限り、明るい時間帯に目的地に到達できるものを選んでいます。
三次から江津 平日
「川本美郷線」でなくおおなんバス(羽須美田所線・邑南川本線)を利用します。川本での接続は石見川本でなく「道の駅かわもと」になります。
作 三次駅 10:32 → 羽須美支所 11:39 680円
羽田 羽須美支所 11:42 → 田所道の駅 12:34 200円
邑川 田所道の駅 12:40 → 道の駅かわもと 13:35 → 石見川本 13:42 400円
江川 道の駅かわもと 13:38 → 江津駅 14:38 1020円
「道の駅かわもと」の乗り換え時間が3分なので、明らかに遅れている時は諦めたほうが無難です。またどうしても石見川本に寄りたい場合は「石見川本 16:10 → 江津 17:22 1100円」となります。
どうしても三江線のルートにこだわりたい場合は以下のような感じになります。GUおおち(粕淵周辺)で4時間の待ち時間になります。
作 三次駅 6:19 → GR大和 7:48 940円
川美B GR大和 8:00 → GUおおち 8:29 810円
川美A GUおおち 12:46 → 石見川本 13:15 650円
江川 石見川本 13:30 → 江津駅 14:38 1100円
三次から江津 土休日
三次〜GR大和間の2本のバスから江津へ乗り継げるので、乗り継ぎを2つ紹介します。(江津から三次・土休日も同じ)なお、三次からGR大和へ至るバスは、この2本のみです。
作 三次駅 9:09 → GR大和 10:33 940円
川美C GR大和 10:40 → 石見川本 11:38 1200円
江川 石見川本 13:30 → 江津駅 14:38 1100円
作 三次駅 13:29 → GR大和 14:53 940円
川美C GR大和 16:02 → 石見川本 17:00 1200円
江川 石見川本 17:15 → 江津駅 18:27 1100円
江津から三次 平日
江川 江津 11:30 → 石見川本 12:38 1100円
川美A 石見川本 13:25 → GUおおち 13:54 650円
川美B GUおおち 14:18 → GR大和 14:47 810円
作 GR大和 14:57 → 三次駅 16:21 940円
川美AとBの乗り継ぎはGUおおちの他、相生町(そばにコンビニあり)、粕淵駅、浜原駅でも可能です。運賃は多少変わってくるかもしれません。
江津から三次 土休日
江川 江津 7:02 → 石見川本 8:20 1100円
川美C 石見川本 9:00 → GR大和 9:58 1200円
作 GR大和 10:40 → 三次駅 12:04 940円
江川 江津 11:30 → 石見川本 12:38 1100円
川美C 石見川本 13:25 → GR大和 14:23 1200円
作 GR大和 15:10 → 三次駅 16:34 940円
三次から宇都井 平日
「羽須美支所」は同一地点ですので、乗り継ぎは問題ないと思います。
作 三次駅 10:32 → 羽須美支所 11:39 680円
宇口 羽須美支所 11:40 → 宇都井 12:03 200円
三次から宇都井 土休日
作 三次駅 9:09 → 羽須美支所 10:07 680円
宇口 羽須美支所 10:10 → 宇都井 10:33 200円
宇都井から三次 平日
宇口 宇都井 14:49 → 羽須美支所 15:12 200円
作 羽須美支所 15:24 → 三次 16:21 680円
宇都井から三次 土休日
宇口 宇都井 15:02 → 羽須美支所 15:25 200円
作 羽須美支所 15:37 → 三次 16:34 680円
三次から所木、唐香橋を渡って、唐香から三次
式三 三次駅 14:25 → 所木 14:45 310円
川三 唐香 15:30 → 三次駅 15:52 運賃不明(300〜350円くらいと思います)
唐香橋から江の川下流の眺め(画像はこちら)は個人的にパワースポットだと思っていて、それを眺める乗り継ぎです。大阪駅から青春18を利用した場合、日帰りできます。(バス運賃は別途必要)
運賃割引について
備北交通(上記では作木線が該当)ではPASPY(広島周辺の路線バス・路面電車で使用可能なICカード)が使えます。運賃が最大10%引きになります。具体的には運賃の10%の10円未満を切り捨てた金額が割引額になります。
割引額の計算例:上記で三次駅から羽須美支所までの運賃は680円。その10%は68円ですが、10円未満は切り捨てて割引額は60円となります。
ICOCAと同じように購入時にデポジットが必要なので、広島へ行く機会が少ない方にはおすすめはしません。なお、PASPYが使えるバスなどではICOCAなども使えますが、割引はありません。
石見交通(上記では江津川本線、粕淵線が該当)では島根共通バスカード(購入時などは「バスカード」で通じる)が使えます。1枚1000〜3000円(バス車内で購入する場合は1000円のみのようです)で1100〜3300円分使え、一度に使い切るような使い方もOKです。江津川本間の運賃は1100円ですが、バスカードを使った場合は1000円になります。
以下は三江線が元気(?)に走っていた頃の記事になります。
三江線の旅(車窓)
三次〜江津 108.1km 3時間30〜40分 車窓のポイントは、何といっても江の川の眺めで、北海道にも負けない大自然を堪能できます。この眺めは日本のどこに行っても見られるものではありません。また、朱色の屋根瓦(石州瓦・せきしゅうがわら)の家々も見どころで、まさに日本の原風景といえるような景色です。
三次から乗った場合は、江の川は進行方向右側に見えることが多いです。橋を何度か渡るので一概には言えませんが、三次〜口羽間は右側、口羽〜浜原間は左側、浜原〜江津間は右側になります。が、ボックスが4つしかなく、右側は2つだけなので、理想の場所での座席確保は難しいかと思います。良い席に座りたい場合は、かなり前から乗車位置(三次駅はあり)で並んで待っていましょう。
あるいは、座席は確保せず、運転席の横から前(後)の景色を眺めてみてはいかがでしょう? キハ120の唯一の長所は、運転席の横に立つことができることです。下記の車窓の画像の中にも、運転席の横から撮影したものがかなりあります。
下地図中の数字の部分をクリックすると車窓の画像を表示します。
三次から口羽
三次駅の3番乗り場から広島方面に発車します。ポイントを渡って三江線の線路に入ると、すぐに江の川を渡り最初の駅である尾関山(おぜきやま)に到着です。尾関山を出ると、尾関山公園の下をトンネルで抜け、さらに江の川を渡って、ここからしばらくは江の川に沿ってゆっくりと走ります。
このあたりは、山が迫った所では時速30km程度で走り、そうでなくなるとスピードが上がるというのを繰り返します。三次には近いですが、この区間が三江線の最もひなびたところで、各駅の造り(仮乗降場のような細く短いホームと簡素な待合施設だけの駅が多い)にもそれが現れています。
途中の式敷(しきじき)駅あたりから乗客は徐々に減っていき、口羽(くちば)駅に着きます。大型時刻表を見る限り主要駅のようですが、狭い島式ホームの無人駅です。(口羽駅については後述)
口羽から浜原
口羽を発車すると、昭和の後期に開業した区間に入ります。線形が良くなるので、列車はスピードを上げて行くんですが、この区間でも30キロ制限が何度かあります。高架線が多く、周辺の家々や江の川を見下ろす形になります。
浜原から江津
浜原からは、再び古くに建設された区間なので、江の川の様々な姿を眺めながら、のんびりと走ります。この区間になると、割と人口が多かったからか、結構な規模の駅舎も見かけるようになります。
三江線を走る車両
全列車がキハ120で、1両で運転されます。もちろんワンマン運転です。
が、最近は注目されることが多くなったので、2両で運転されている列車もあります。(下記の423D、424D、429Dなど)また、最近は3両での運用もあるようです。(下記の423D、424D)
残りわずかということで、最近は木次線や広島エリアのキハ120が使われることがあります。
すべての列車が観光列車
三江線に限らずJR西日本管内のローカル線はどこも同じなんですが、斜面に接している場所など地盤が軟弱なところでは速度を極端に落として運転します。(路線によって異なりますが20〜30km/hに減速します) 三江線は江の川に沿って走ることが多いですが、多くの区間で減速するので、江の川の流れを存分に眺めることができるわけです。まさにどの列車も観光列車です。
三江線の列車時刻
以下に主要駅の時刻を載せていますが、全列車を記載できるほど列車の本数が少ないんです。始発列車は5〜6時台ですが、この時間ならホテルに泊まるのも勿体無い気がするし、起点終点とも大きな町ではないのでネットカフェなども期待できません。
下記表で同一行の場合は、列車番号のある駅で乗り換えになります。列車番号の末尾のDは省略しています。
列車番号欄の●◆●は予想混雑度です。日によって異なると思いますが、
◆:特に混雑(大都市圏の通勤ラッシュ並みの混雑)
●:混雑(立っている人が常時いる程度)
●:座席がほぼ埋まるほどの混雑。
無印:ガラガラ。(団体客で混雑することもあり)
列車番号欄のBは両数です。Bは3両での運転です。他は2両での運転です。
江津から三次へ(2018年3月17〜31日)
編成両数は不明ですが、おそらく全列車が2両以上になると思います。(9423Dは3両での運転ですが、ドアは前2両しか開きません。) 混雑度は全列車が●か★だと思います。(三次から江津も同様。)
始発 | 列車番号 | 江津 発 | 石見川本 発 | 浜原 着 | 列車番号 | 浜原 発 | 宇都井 発 | 口羽 発 | 長谷 発 | 三次 着 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
9421 | 556 | 627 | 637 | 720 | 735 | |||||
9423B | 553 | 702 | 742 | → | 743 | 814 | 823 | 906 | 921 | |
浜田1153 | 9425 | 1234 | 1355 | 1435 | → | 1436 | 1508 | 1517 | → | 1615 |
9427 | 1515 | 1625 | 1704 | → | 1706 | 1737 | 1801 | → | 1859 | |
9429 | 1633 | 1748 | 1828 | → | 1901 | 1932 | 1941 | → | 2040 | |
9431 | 1908 | 2018 | 2057 |
三江線江津発始発列車利用について
江津駅前のホテル→天然温泉「石州の湯」スーパーホテル江津駅前(2015年12月25日グランドオープン)(外部サイト)
浜田にはネットカフェ(自遊空間島根浜田店・浜田駅から徒歩5分くらい)がありますが、席数が少ない上でブース席は狭く覗き窓が付いています。浜田5:20発の始発列車(出雲市行き)でも9423Dに乗り継ぐことができます。(江津着5:47)
なお、浜田駅・江津駅ともに早朝は無人になりますが、青春18を使う場合、江津発の始発列車423Dにはたぶん車掌さんがいると思うので、その人から日付を入れてもらうことがたぶん可能です。また、浜田から出発するのなら、320Dの車掌さんから日付をもらうことも可能ですし、この列車は江津駅で10分ほど停まるので、その間に入れてもらうことも可能です。
三次から江津へ(2018年3月17〜31日)
列車番号 | 三次 発 | 長谷 発 | 口羽 発 | 宇都井 発 | 浜原 着 | 列車番号 | 浜原 発 | 石見川本 発 | 江津 着 | 終着 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
9420 | 620 | 703 | 812 | ※浜田 851 | ||||||
9422 | 538 | → | 703 | 712 | 742 | → | 743 | 823 | 931 | 浜田 1032 |
9424B | 1002 | → | 1100 | 1109 | 1139 | → | 1139 | 1218 | ||
9426 | 1345 | 1454 | ||||||||
9428 | 1411 | 1426 | 1525 | 1534 | 1604 | → | 1708 | 1748 | 1857 | |
9430 | 1702 | 1717 | 1800 | 1809 | 1839 | → | 1903 | 2018 | 2127 | |
9432 | 1934 | 1949 | 2033 | 2041 | 2111 |
※ 時刻表上では江津行きになっていますが、おそらくそのまま浜田まで直通すると思います。
早朝に出発する場合など(三次側)
三次駅近くにホテルが数件あります(右にある楽天のバナーから検索してみてください)。ネットカフェはありません。(かつてはあったけど、なくなった) 個人的には三江線と芸備線とが分岐するあたりにある「ホテルアルファーワン三次(外部)」がおすすめです。(三次駅から徒歩15分くらい)部屋によっては、三江線のトレインビューを楽しむことができます。
あるいは、宿泊費を安く上げたいなら「三次ロイヤルホテル(BBHホテルグループ)」(カプセル・3000円台から泊れる・男性のみ)もおすすめです。
三次駅も朝は7時まで無人状態です。(改札口に係員はいませんが、1番乗り場に停車中の芸備線の列車の車掌さんがいたら、日付を入れてもらうことができます。)
三次発10:02の(9)424Dは、青春18きっぱーだけでなく団体客で非常に混雑します。どうしても座りたい方は、最短接続ではなく広島発6:53(福山発5:49)の列車で三次に来て、並んで待つことを強くおすすめします。(いずれも9時頃に三次に到着。団体客は9時10分頃に来るようです。)3両での運転ですが、ドアは前2両しか開きません。この列車は石見川本行きですが、石見川本駅に着くとそのまま江津行き426Dになります。が、待ち時間が長いため、乗客は一旦降ろされます。426Dには、発車の10分くらい前から乗車できますので、座りたい方は並んでおきましょう。石見川本駅では、「川本町観光協会」の皆様が親切に歓迎してくれるはずです。石見川本駅の項目も参照ください。
三江線の駅と周辺の観光地など
どこかのパンフレットには「木造駅舎が多い」と書かれていますが、実際には細く短いホームと待合スペースだけの簡易な駅が多いです。これも利用者が少ないからだと思います。
下にスクロールいただくか、ご希望の駅や観光地をクリックしてみてください。
三次駅
現在、三江線の列車は3番乗り場から発車していますが、かつては1番乗り場の広島寄りに切り取りホームがあり、そこから発車していました。その部分には今もキロポストが置かれています。
三次駅の画像は「山陽本線(三原〜広島〜岩国)と周辺路線の旅」もご覧ください。
尾関山駅
三次駅を出て最初に止まるのが尾関山駅です。駅から徒歩数分に尾関山公園があり、桜の季節は賑わいます。が、三江線を利用して花見に来る人は少ないです。
尾関山公園
桜で有名な公園です。尾関山駅から徒歩5分です。(尾関山駅のホームに立つと見えています) 三江線の列車がない場合は、三次駅から備北交通バスで「三次小学校」または「三次中学校」で下車。徒歩10分くらい。(1時間に1〜2本あります。ご利用の際はご確認を) バスを降りると近くに山が見えると思いますが、これが尾関山公園です。「尾関公園」というバス停もありますが、本数が少ないのでおすすめはしません。
ここに説明が表示されます。
粟屋駅
駅周辺に民家が数件あり、細く短いホームの駅です。三江線はこのような駅が多く、「利用者が少ないんだな〜」と感じます。
長谷駅
三次駅を発車して15分ほどの三江線内で唯一通過列車のある駅です。停車列車の時刻(後述)を見ればわかるとおり、午前中に三次方面、午後に江津方面の列車しか停まりません。三次駅からは日帰りできず、江津方面からは日帰りできる駅です。
国鉄時代は仮乗降場で、時刻表に記載されていませんでした。周辺に元々あった学校が閉校になり、駅周辺に住む子供達を三次の小中学校に通わせるために設置されたそうです。
駅東側には「長谷橋」という名の橋があり、線路の向うに小さな集落があります。
長谷駅から隣の船佐駅へ歩く
隣の船佐駅(江津方面)へは営業キロで2.2kmですので、ここを歩いてみました。県道112号線を歩くのですが、車どうしの離合が困難な所が結構あります。でも、車は飛ばしてくるので歩くのは怖いです。車がいなければ、江の川の水の流れる音が辺りに響いています。なお、バス路線はたぶんありません。
ここに説明が表示されます。
所要時間は35分ほどでした。船佐駅周辺の画像は後述。また、長谷駅のもう一方の隣駅である粟屋駅へは2.5kmで、こちらも歩けそうな距離です。
船佐駅
駅周辺に数件の民家があります。後述の口羽駅と同じように、駅舎らしき建物は待合室です。ホームの三次寄りからは、戦時中に爆弾を落とされたという案内板を見ることができます。江の川の発電所を狙ったものが着弾したそうです。
所木駅
駅を出てすぐの所に赤い橋(「唐香橋」とか言うらしい)があり、江の川の対岸に住む人たちも利用できるようになっています。この橋は、軽自動車がやっと通れるくらいの幅しかありません。この橋から眺める江の川は、まさに絶景です。
信木駅
周辺には数件の民家があります。所木駅と同様、駅前に車が乗り入れられないため、代行輸送時は運転手さんがホームまで走って行き乗る人がいないか確認し、汗びっしょりで戻ってきていました。
式敷駅
三次から乗ると、最初の交換駅となります。この駅で降りる人を度々見かけます。周辺には店舗がいくつかありますが、営業している店はないようです。
香淀駅
コンパクトな駅舎を持ちます。駅周辺には民家が数件あります。
迦具神社(香淀のオオイチョウ)
小さな神社のバックにある大きなイチョウの木が何ともいえません。香淀駅から徒歩40分、又は三次駅で自転車を借りて1時間くらい。
作木口駅
この駅からは島根県に入ります。「作木」とは対岸の地名(広島県)で、道路沿いの集落が三江線の列車からもよく見えます。
川の駅常清(じょうせい)、常清の滝
「川の駅常清」は駐車場を備えた休憩施設で、鮎料理などを食べることができます。赤い看板が三江線の列車からよく見えます。作木口駅から徒歩15分くらい。「常清の滝」はさらに山に入ったところにある、このあたりでは結構有名な観光地です。高低差は日光の華厳の滝を凌ぐそうです。作木口駅から徒歩1時間。又は三次駅で自転車を借りて1時間半くらい。
滝の全体を撮影するのが困難なため、動画も用意しました。
右をクリックし再生ボタンを押してください → 動画を見る
江平駅
こちらも周辺には民家が数件ありますが、人が住んでいるかどうか・・・。
口羽駅
三次を発車して三江線の最初の「拠点駅」です。が、細い島式ホームがあるだけの無人駅です。駅舎らしき建物もありますが、これは待合室で駅としての機能はありません。ホームへは待合室の右を進み踏切を渡ります。
口羽の町並み
駅前の道を歩くと交差点があり、その一角に三江線全通記念碑があります。この交差点を右手に進むと10分ほどで口羽の集落に出ます。(左手に進むと宇都井駅へ) かつての「羽須美村」の中心で、今でも邑南町の支所があります。古くからの木造建築も何件かあります。
伊賀和志駅
当駅は広島県にあります。駅から5分くらい歩くと伊賀和志の集落があります。このあたりは江の川が蛇行し、それを意味する「怒瀬(いからせ)」が地名の由来だそうです。
宇都井(うづい)駅
当駅から再び島根県に入ります。集落をまたぐ橋の一部にホームがあり、ホームへは116段の階段を登ります。階段には、地元の小学生による残り段数と観光案内が掲示されていて、これを見ていると疲れを感じません。テレビにも度々取り上げられ有名だそうですが、この駅に降りるのは至難の業です。
うづい通信部
宇都井駅の駅前の民家に最近オープンしたという地元雄志による手作りのお店です。自家焙煎コーヒーを楽しめる他、三江線グッズ(「三江線駅名タオル」など)を売っていたり、宿泊(おそらくは雑魚寝。食事は基本的に自炊。電話にて要予約)もできるそうです。
営業時間は基本的に10〜17時ですが、お客さんがいなかったりすると早くに閉まるそうです。(木曜定休・それ以外でも不定期で休むこともあり)
石見都賀駅
かつての大和村(現在は島根県美郷町の一部)の中心だったところで、村役場の建物も残っています。
石見松原駅
駅前に民家が1件あるだけで、駅へは今にも崩れそうな通路を登って行きます。(自動車用の通路が別途あり) いったい誰が利用するのか気になる駅です。他の駅にはある「駅ノート」が当駅にはありませんでした。
潮駅
駅前の桜並木が有名です。徒歩5分位の所に三江線随一の温泉である潮温泉があります。
桜並木と潮温泉大和荘
潮駅から少し歩くと桜並木があり、その向こうに大和荘があります。大和荘は宿泊もできますが、日帰り温泉としても利用できます。なかなかいい湯でした。
沢谷駅
当駅付近は江の川から離れています。周辺は田んぼが広がり、その所有者と思しき方の屋敷を眺めることができます。
浜原駅
夜間滞泊もある三江線の拠点駅です。駅周辺は静かな住宅地です。入口付近には「三江線全線開業記念」と書かれた石碑が置かれています。
粕淵駅
三江線では最も北に位置する駅です。駅付近は人影まばらですが、少し歩くと美郷町の中心部になり、スーパーやコンビニも見かけました。今は片面ホームのみの駅ですが、ホームと道路の間の小さな隙間から、かつては島式ホームだったことが伺えます。
第一江川(ごうかわ)橋梁
粕淵駅の西(江津寄り)にある鉄橋で、江津から出発すれば初めて江の川を渡ることになります。この鉄橋には歩行者用の通路が設けられていて、周辺の住民も利用しています。大阪にもかつて「赤川仮橋」(→ここをクリック)なんて橋がありましたが、当橋は鉄橋のアーチで隔てられている分、迫力は欠けると思います。
赤塚駅
駅から少し離れたところに数件の民家があります。このあたりは幹線道路から離れているため、三江線は周辺住民の大切な足になっています。
石見簗瀬駅
駅付近は結構な規模の集落です。木造駅舎を持ち、かつては島式ホームだったことが伺えます。
乙原駅
こちらも駅周辺に数件の民家があります。少し高いところを走っていて、ホームへは階段でアクセスします。
竹駅
駅前は細い道で、その向こうは江の川です。この細い道が幹線道路で大型車も多く走ります。(大型車は離合困難) 一応山側に民家があるのですが、その民家へは勝手踏切を渡らなければなりません。
木路原駅
住宅地の中に駅があり、狭い通路を通り階段を上がってホームにアクセスします。
木路原天満宮
木路原駅から西へ3分ほど歩くとある神社ですが、鳥居などは見つけられませんでした。幹周り8.3メートルというムクノキがあり、天然記念物に指定されています。
石見川本駅
三江線沿線で最も大きな町にある駅で、唯一の有人駅であり、唯一のスタンプ設置駅でもあります。
駅前情報センター(おもてなしサロン・観光案内所)
毎日12〜14時の間に開設されます。424Dから426Dに乗り継ぐ乗客へのおもてなしスペースです。駅周辺での昼飯や町歩きに関する情報を教えてくれます。エゴマ茶も無料サービスです。
スカイラブ3号
1970年代、アメリカで打ち上げられた宇宙船が「悠邑ふるさと会館」の駐車場にあります。石見川本駅から徒歩10分くらい。なぜここにあるのかは不明。
因原駅
住宅地の中にあり、駅前のバス乗り場からは田所など邑南町方面へ行くことができます。駅舎には運送会社が入居していますが、その会社の名前は「三江線運輸」で、非常に驚きました。
鹿賀駅
5月に訪問しましたが、訪問時はタンポポが満開でした。
コインレストランかわもと
江の川の対岸の国道沿いにある自動販売機だけの店です。自動販売機で買える「かしわうどん」が名物です。この手の店はかつては主要道路沿いでよく見かけましたが、コンビニが増えるにつれて数を減らしていて、今では非常に珍しくなっています。鹿賀駅から徒歩15分。または石見川本駅で自転車を借りて25分(6km)くらい。
「かしわうどん」ですが、どうしても盛付は雑です。味もかつてのサービスエリアの軽食コーナーのうどんのような感じです。
石見川越駅
ちょっとした規模の集落の中にある木造駅舎の駅です。駅周辺には、三江線の線路を渡らないとアクセスできない民家を散見しました。
田津駅
階段を登ったところにホームがあります。
川戸駅
かつての桜江町の中心駅で、駅近くにはかつての町役場(現在は江津市役所の支所)もあります。かつては駅舎の一部は図書館になっていましたが、一時的なものだったらしく、再訪問時はなくなっていました。
2017年10月時点では、ホームにコスモスがたくさん植えられていて、訪問者の目を楽しませていました。
川平駅
集落の中にあり木造駅舎を持ちます。「天然コケコッコー」「砂時計」といった映画のロケでも使われたそうです。
千金駅
駅前に民家が1件あります。待合スペースの建物に「千金駅」の表示があるのですが、これを撮影するには民家の敷地に入らなければならないので撮影には困った駅です。県道から500メートルほど入ったところにあり、私から見れば最も秘境感のある駅です。
江津本町駅
江の川のほとりにぽつんとある無人駅です。が、この駅の背後には信じられない風景が待っています。
甍(いらか)街道
江津本町駅を出て右方向に進み、切り通しを抜けると、古い町並みが広がります。「甍街道」と呼ばれ、かつての江津の中心だったようです。江津駅からも徒歩20分ほどなので、江津駅での乗り換え時間に余裕があれば訪ねてみては?
江津駅
三江線の列車は3番乗り場のみから発車し、留置線の向こう側にはキロポストが置かれています。
江津駅の画像は「山陰本線の旅・米子〜益田」もご覧ください。
おまけ
三江線の駅には、石見神楽にちなんだ愛称が付けられています。でも、神楽に詳しくない人には、なんのこっちゃわからないと思います。私もわかりません。
神楽ビンゴ
その神楽駅名標を使ったビンゴです。各駅の神楽駅名標の右上に色付きのおろちのイラストが入っているのですが、ビンゴシートと同じ色のおろちを1駅につき1つ消す(ゲーム内では「退治」といっている)ことができます。
駅に着く度に上記の操作を繰り返し、いちばん早くビンゴが成立した人が勝ちになります。
※ ビンゴシートは三江線活性化協議会のホームページにあります。
三江線のトリビア
三江線やその沿線のどうでもいい話を取り上げました。駅に関するものは駅の記事を参照。
広島県→島根県→広島県→島根県
香淀駅から宇都井駅までに県境を3度通過します。うち2度は江の川を渡る際に県境を越えています。
具体的には
香淀駅(広島県安芸高田市)
↓(江の川に注ぐ小さな川が県境)↓
作木口、江平、口羽駅(島根県邑南町)
↓(第4江川橋梁。江の川が県境)↓
伊賀和志駅(広島県三次市・旧作木町)
↓(第3江川橋梁。江の川が県境)↓
宇都井駅(島根県邑南町)
道路にも三江線がある
徒歩や自転車で駅訪問をなさる方なら、すぐに気付くかと思いますが、「三次江津線」という道路が三江線に沿って走っています。広島・島根県の県道で番号はどちらも112ですが、道幅が狭い所も多く、他の道路と重複している区間も多いため存在感はあまりありません。
陸閘(りくこう)・陸閘門
三江線の線路上にあり、江の川の増水時に閉め切って集落や町を守ります。昭和47年の大水害を期に設置されたそうで、下記以外にも因原、川戸にもあるそうです。石見川本のが一番駅に近くて撮影が容易です。
勝手踏切
単なる「通路」としてよりも、勝手踏切を通らないと家にアクセスできないようなものも見かけました。とはいえ、人が住んでいる気配のないものもありました。
三江線バブル
某路線バスの運転手さんから聞いた話ですが、1970年ごろは三江線の工事で景気がメチャメチャ良かったそうです。でも、完成し開業すると、人並みがパタッと途絶え、一気に景気は冷え込んでしまったそうです。「実際に儲かったのは建設業者だけだったな〜」とその運転手さんはぼやいていました。